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タイトル:「明大昭平令」の識別力に関する補充反論書

タイトル:「明大昭平令」の識別力に関する補充反論書

1. 商標の構成と独自性について

まず、「明大昭平令」という語が商標としての識別力を有しないとする審査官の見解に対して、商標構成の独自性を強調します。

 

造語としての新規性:審査官は、「明大昭平令」が単に頭文字を並べただけであり、一般に広く使用される方法であるため独自性がないとしています。しかし、出願者としてはこの語が「元号の象徴的な頭文字の並び」であり、ひとつの歴史的文脈や象徴を持たせた造語であると再度主張します。曜日や惑星の頭文字と異なり、日本特有の歴史や文化的な背景に基づいた元号を用いた表現は、その独特な歴史的意義からして新たな商標としての価値を有するものです。

2. 一般的使用例と消費者への認識に関する追加の説明

審査官の見解では、商標としての識別機能が認められない根拠として、頭文字の組み合わせが広く一般的な手法とされています。しかし、消費者がこの語を特定の商品や役務に対する識別標識として認識するかについて、より具体的に論じることが可能です。

 

消費者認識の誤解:審査官は、消費者がこの語を見ても「元号の頭文字」として認識するだけにとどまり、商標の識別力を持たないと結論づけています。しかし、具体的な消費者の立場で考えた場合、このような独自の造語は商品やサービスの出所識別に役立つ「ブランド」としての象徴的機能を十分に発揮し得るものです。元号の連続した頭文字は他の企業で一般的に使用される表現ではなく、「明大昭平令」という語を視覚的に捉えたとき、消費者には特定の企業イメージや出所の一貫性が連想される余地が大いにあります。

3. 他の例との違いについて

審査官は曜日や惑星の略称といった例を示していますが、この例が本願商標と実質的に異なることを指摘します。

 

例示された用語との差別性:審査官が提示した「月火水木金土日」や「水金地火木土天海」との比較では、これらは日常的な用語であり、その認知度も極めて高いものです。しかし「明大昭平令」は造語としての使用が一般化されていないため、同じ頭文字の並びであっても、新たな識別要素を付与することができます。この語は元号に対する歴史的象徴を持ち、他の略称的な単語とは一線を画する独自の識別標識として認められるべきです。

4. 商標法第3条第1項第6号の再解釈

本願商標が「識別力を欠く標章」であるとされていますが、識別力の定義とその解釈について疑義を提示し、さらなる解釈を提案します。

 

識別力の具体的基準:商標法第3条第1項第6号に該当する「識別力の欠如」が、審査官の判断において曖昧に適用されている可能性があると指摘します。この法条項が適用されるためには、識別力がないという判断の基準が明確である必要があり、「明大昭平令」が特定の商品や役務を象徴する「ブランド表現」として受容される可能性がある場合には、識別力の欠如とはいえません。

5. 提案する結論と要請(補足説明付き)

 

本願商標「明大昭平令」が、文化的意義や識別力を持つことをより具体的に示すため、以下の事例と併せてその意義を説明いたします。

 

(1) 「文化的・歴史的な造語」としての識別力の事例

 

日本には、文化的意義を反映した造語が、一般の頭文字表記とは異なる認識を持って受け入れられ、ブランドや識別標識として成功している例が複数存在します。例えば、「JAL」や「ANA」など航空会社の略称も、元々は「Japan Airlines」や「All Nippon Airways」を単純に略したものですが、単なる頭文字にとどまらず、独自の識別力や文化的象徴を持つものとして消費者の認識に根付いています。これらはもともとありふれたアルファベットですが、略称としての独自性と象徴性を持つことで、広くブランドとしての価値を獲得しています。

 

本願商標「明大昭平令」もこれと同様に、元号を象徴的に組み合わせた独自の表現として、日本における文化的・歴史的な価値を持ち、消費者に「特定の象徴」としての認識を与えるものです。日本文化の特性としても、元号に基づいた表現や慣習が深く根付いているため、需要者や消費者の認識においても「象徴的かつ独自のブランド表現」として理解され得ます。

 

(2) 「造語商標」の登録例

 

国内外を問わず、造語商標には特定のブランドや文化の象徴として識別力を持つ例が多く存在します。例えば、米国の「Exxon」や「Kodak」は、完全に新規の造語として構成されたものですが、他に類例のない独特の印象を持つため、ブランドとして成功し商標登録を認められています。これらの造語が成功した背景には、単に表記を示すだけでなく、消費者に特定の「文化的・象徴的な価値」を想起させる効果があったためです。

 

「明大昭平令」という商標も、造語として一貫した元号の象徴を表現し、単なる表記に留まらず、新たな時代性や歴史的文脈を想起させるものとしての価値が認められます。消費者はこの表現を通じ、単なる元号表記にとどまらない独自性の高い商標として認識する可能性が高いと考えられます。

 

(3) 日本文化における「元号」の独自性と商標的価値

 

日本の元号は、単なる年号ではなく、特定の時代や文化の象徴として広く社会に認知されています。元号を基にした表現には、日本独自の文化的・歴史的意義が備わっており、単なる略称表記の域を超える価値が認められるべきです。本願商標「明大昭平令」が示す元号の頭文字は、特定の過去から現在に至るまでの時代を象徴し、消費者にその歴史の積み重ねと継承を認識させる効果を持っています。こうした歴史的な背景は、日本文化における独特の象徴性を含み、識別力を持つ商標として受容される余地が大いにあります。

 

補足結論

 

以上の事例を踏まえ、本願商標「明大昭平令」は単なる元号の頭文字の並びにとどまらず、文化的・歴史的な意義を反映した造語であり、消費者に対して強い象徴性と独自性を与えるものです。これにより、単なる識別力の欠如と断定するには不十分であり、本商標の文化的な価値や歴史的文脈を考慮の上、商標登録が認められるべきものと考えます。

 

(4) 提示された例証の不適切性と方法論の欠陥

稚拙な例証の批判と論拠の不適切性

審査側が提示した例証(別掲)に基づく主張は、出願人の商標「明大昭平令」の識別力を否定する根拠として適切ではなく、また論理的に不備が多く見受けられます。以下、具体的な事例ごとにその不適切さを指摘します。

 

「ねぎし泌尿器科・内科」や「等覚院」などの例について

「生年月日」を記載する問診票や申込書に「明大昭平令」と記載されていることをもって、出願商標が「一般に使われる表記である」と断定していますが、これは論理的に成り立たない議論です。

まず、これらは極めて限られた文脈において、生年月日を効率的に記載するために使用されるものであり、一般的に需要者や消費者がこれを「商標」として認識する状況とは明らかに異なります。実際、問診票や申込書における「明大昭平令」の使用は、特定の医療や宗教団体が業務の便宜上、極めて狭い範囲での効率的な情報入力手段として用いているに過ぎません。これをもって広範囲な一般使用と断定し、商標的価値や独自性を否定するのは適切ではありません。

 

「さくらインターネット」の入居者名簿について

同様に、住民情報の管理という極めて限定的な文脈で、「生年月日」表示の簡略化に「明大昭平令」が用いられているに過ぎません。このような狭い使用例をもとに「識別力がない」とするのは過度の一般化であり、誤謬を含んだ論法です。

特に、こうした使用例は日常的な認知とは異なり、消費者が通常の取引や市場で接する文脈とも大きくかけ離れています。消費者が意識する「ブランド」や「商標」としての認識とは無関係の事例を引き合いに出すこと自体、審査側の方法論に欠陥があると考えられます。

 

広範な一般性のない例証の不適切さ

他の例証として挙げられた曜日や惑星の略称(「水金地火木土天海」など)は、確かに略称の一般的使用例として存在しますが、これらは全く異なる慣習的表現であり、「明大昭平令」の例と直接的な関連性はありません。特に、日本の文化的・歴史的背景に基づく元号の組み合わせは単なる略称表現にとどまらず、各時代を象徴的に表現する「文化的造語」としての価値があるため、単純な略語表記や日常の便宜的表現と同一視するのは誤りです。

 

結論として

本願商標「明大昭平令」に識別力や文化的意義が欠如しているとの審査側の判断には、上記のように複数の論理的欠陥があり、その論拠の適切性は非常に低いと考えられます。審査側の主張は、狭い文脈に限定された使用例を一般化し、消費者が特定の商品や役務を想起する商標的機能としての本質を見誤っている点で、認識上の誤りを含んでいます。

💕

 

Title: Supplementary Rebuttal Regarding the Distinctiveness of “Meidai Shohei Rei”

 

1. Composition and Uniqueness of the Trademark

 

Firstly, we emphasize the unique composition of the trademark “Meidai Shohei Rei” in response to the examiner’s view that it lacks distinctiveness as a trademark.

 

Novelty as a Coined Term: The examiner asserts that “Meidai Shohei Rei” is merely an arrangement of initials, a commonly used method, and thus lacks uniqueness. However, we, as the applicant, reiterate that this term is a coined expression with the symbolic initials of Japanese era names, embodying a specific historical context and symbolism. Unlike initials for days of the week or planets, the expression using Japanese era names, grounded in Japan’s unique history and cultural background, possesses value as a new trademark because of its distinctive historical significance.

 

2. Additional Explanation on General Usage and Consumer Perception

 

The examiner’s view that the combination of initials is a broadly general technique forms the basis for the assertion that the term lacks trademark distinctiveness. However, it is possible to discuss in more detail how consumers perceive this term as a distinctive sign for specific goods or services.

 

Misinterpretation of Consumer Perception: The examiner concludes that consumers would only recognize this term as “initials of Japanese era names” and therefore not as a distinctive trademark. Yet, from the perspective of an actual consumer, such a unique coined term could indeed function effectively as a “brand,” aiding in the identification of the origin of goods or services. The continuous sequence of era initials is not an expression commonly used by other companies, and when “Meidai Shohei Rei” is visually encountered, there is ample room for consumers to associate it with a particular corporate image or consistent source.

 

3. Distinction from Other Examples

 

The examiner has cited examples such as abbreviations for days of the week or planets, but it is necessary to point out that these examples differ substantially from the trademark in question.

 

Differentiation from Cited Examples: In comparison to the abbreviations “Mon, Tue, Wed, Thu, Fri, Sat, Sun” or “Mercury, Venus, Earth, Mars, Jupiter, Saturn, Uranus, Neptune” presented by the examiner, these terms are everyday expressions with a high degree of familiarity. In contrast, “Meidai Shohei Rei” has not been generalized as a coined term, and thus, even with a similar arrangement of initials, it can convey a new distinctive element. The term embodies a historical symbolism related to Japanese era names, distinguishing it from other types of abbreviations and deserving recognition as a unique identifying mark.

 

4. Reinterpretation of Article 3, Paragraph 1, Item 6 of the Trademark Act

 

The examiner has classified the trademark as “lacking distinctiveness,” but we raise questions about the definition and interpretation of distinctiveness, proposing further considerations.

 

Specific Standards of Distinctiveness: We suggest that the application of “lack of distinctiveness” under Article 3, Paragraph 1, Item 6 of the Trademark Act may have been ambiguously applied in the examiner’s judgment. For this provision to apply, the standards for determining the lack of distinctiveness must be clear. If “Meidai Shohei Rei” has the potential to be accepted as a “brand expression” symbolizing specific goods or services, it cannot be said to lack distinctiveness.

 

5. Proposed Conclusion and Request (with Supplementary Explanation)

 

To demonstrate more concretely that the trademark “Meidai Shohei Rei” possesses cultural significance and distinctiveness, we will explain its importance with the following examples:

 

(1) Case of Distinctiveness as a “Cultural and Historical Coined Term”

 

In Japan, there are several examples where coined expressions reflecting cultural significance have been accepted and recognized differently from ordinary initials, becoming successful as brands or identifying marks. For instance, abbreviations like “JAL” or “ANA” for airlines originally stem from “Japan Airlines” or “All Nippon Airways,” but are perceived not merely as initials but as symbols with unique distinctiveness and cultural connotations that have rooted themselves in consumer awareness. Although initially common alphabet combinations, their distinctiveness and symbolic significance have earned them recognition as valuable brands.

 

Similarly, “Meidai Shohei Rei,” with its unique expression combining era names, bears cultural and historical value in Japan, serving as a “specific symbol” recognized by consumers. In Japanese culture, expressions based on era names are deeply ingrained, making it possible for consumers to perceive them as “symbolic and unique brand expressions.”

 

(2) Examples of Registered “Coined Trademarks”

 

There are numerous examples, both domestically and internationally, where coined trademarks have been recognized as symbols of specific brands or cultural significance. For example, the American trademarks “Exxon” and “Kodak” are entirely original coined terms that convey a distinct impression with no comparable precedents, and they have been successful as brands, earning trademark registration. These coined terms succeeded not only as designations but also in evoking specific “cultural or symbolic value” among consumers.

 

Likewise, the trademark “Meidai Shohei Rei” expresses a consistent symbolic use of era names, not merely as a designation, but with a value that recalls a new sense of time and historical context. Consumers are likely to recognize this expression as a highly unique trademark that transcends a simple era designation.

 

(3) The Uniqueness and Trademark Value of “Era Names” in Japanese Culture

 

In Japan, era names are not merely indicators of time but are widely recognized as symbols of specific periods and cultural significance. Expressions based on era names have inherent cultural and historical value that goes beyond ordinary abbreviations. The initial characters of era names represented in the trademark “Meidai Shohei Rei” symbolize specific periods from the past to the present, allowing consumers to acknowledge the continuity and heritage of that history. This historical background contains unique symbolic elements within Japanese culture, allowing for acceptance as a distinctive trademark.

 

Supplementary Conclusion

 

Based on the aforementioned examples, the trademark “Meidai Shohei Rei” is not merely a sequence of era initials but a coined term reflecting cultural and historical significance, providing consumers with strong symbolic and unique distinctiveness. Thus, it is insufficient to simply conclude a lack of distinctiveness, and considering its cultural value and historical context, the trademark should be eligible for registration.

 

(4) Inappropriateness of the Presented Examples and Flaws in Methodology

 

Critique of the Examiner’s Examples and Inadequacies in Reasoning: The examples presented by the examiner (separately listed) are not appropriate as grounds for denying the distinctiveness of the applicant’s trademark “Meidai Shohei Rei,” and several logical flaws are apparent. Below, we highlight the inappropriateness of the examples given.

 

Regarding Examples Such as “Negishi Urology Clinic” or “Tokakuin”: The examiner claims that the use of “Meidai Shohei Rei” to indicate birth dates on medical questionnaires or application forms constitutes a “general notation.” However, this argument is logically flawed. These terms are used in extremely limited contexts solely for efficiently indicating birth dates, differing markedly from a situation where general consumers would recognize them as a “trademark.” In practice, the use of “Meidai Shohei Rei” on medical or application forms is merely a convenient data input method for specific medical or religious organizations, within a very narrow scope. It is inappropriate to generalize this usage and deny the trademark’s value or uniqueness.

 

Concerning the Tenant Directory of “Sakura Internet”: Similarly, the use of “Meidai Shohei Rei” in resident information management—a highly limited context for simplifying date of birth display—is an overly generalized argument leading to a flawed conclusion. These examples are disconnected from ordinary consumer perceptions and markets where consumers interact with “brands” or “trademarks.” Therefore, citing such unrelated cases highlights methodological flaws in the examiner’s approach.

 

Inappropriateness of Broad Generalization from Narrow Examples: Abbreviations for days of the week or planets (“Mercury, Venus, Earth, Mars, Jupiter, Saturn, Uranus, Neptune”) cited as examples do exist as general usage, but they have no direct relevance to “Meidai Shohei Rei.” Especially given Japan’s cultural and historical context of era name combinations, they are not merely abbreviations but hold value as “cultural coined expressions,” distinguishing them from simple abbreviations or everyday convenient expressions.

 

Conclusion

 

The examiner’s determination that the trademark “Meidai Shohei Rei” lacks distinctiveness or cultural significance contains several logical flaws as outlined above, and the appropriateness of the supporting evidence is quite low. The examiner’s arguments overly generalize narrow contexts of usage and overlook the essential function of a trademark, which is to evoke a specific product or service for consumers.