月刊芳美の記事一覧
- 2025.05.22
- 月刊芳美
タイトル:『御成街道、開かずの列』
タイトル:『御成街道、開かずの列』 設定:時は徳川中期。東海道の某宿場町「小津宿(おづしゅく)」――そこは“交通の要衝”として栄えたが、皮肉にも“開かない宿場”と揶揄される。 理由は一つ、参勤交代の…
Read more- 2025.05.22
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【創作】御成道左側通行令と“上り下り道中記” ―元和の世から泰平の交通へ―
【創作】御成道左側通行令と“上り下り道中記”―元和の世から泰平の交通へ―江戸幕府は、天下泰平を維持するため、諸大名に「参勤交代」を命じた。これにより、全国津々浦々から数万の武士たちが、毎年江戸を目指して街道を行き交うようになる…
Read more- 2025.05.22
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《フィクション:横浜・幻の龍宮城》
《フィクション:横浜・幻の龍宮城》かつて横浜の街角に、「龍宮城」とまで称された中華の殿堂があった。名は「聘珍樓」。百年以上にわたり、皇帝の宴を思わせる料理と、紅燈籠の下で交わされる異国の会話が絶えなかった。しかし、時代は変わる…
Read more- 2025.05.21
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『Heretic』評:神なき神託、または蝶の位相における自己観測者の不在について
『Heretic』評:神なき神託、または蝶の位相における自己観測者の不在について"真に怖ろしいのは、扉ではなく、扉を信じる構造である"“信仰”とは構文であり、従属節のない命題である。それを提示された瞬間、観客の認知は“物語の受…
Read more- 2025.05.20
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【詩宗 趣意書】
【詩宗趣意書】――博物館よりも床下収納よりも、音の鳴る方へ此の宗、詩宗(ししゅう)と号す。釈尊の四門出遊は生老病死に目覚めたが、我らは居酒屋のカウンター、サウナの脱衣所、ストリートの即興セッションにこそ「浄土のひかり」…
Read more- 2025.05.20
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「一遍、ふたたび歩く ― 柔らかく断られた日」
「一遍、ふたたび歩く―柔らかく断られた日」鎌倉某所。木々は揺れ、空は霞み、どこか懐かしい風が吹いていた。白衣に編笠、竹杖を手にした一人の男が、静かに山門をくぐる。手には一枚の紙、そこに筆で綴られているのは、ただ「南無阿弥陀…
Read more- 2025.05.20
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【仏の顔も三度まで】
【仏の顔も三度まで】〜釈迦、令和の仏門にて門前払いされるの巻〜登場人物:・釈尊(変装中・肩掛けトートにユニクロ)・受付の女(自称:信仰歴15年・寺のバイト歴3ヶ月)・秘書のアナンダ(遠くのバンで待機中・iPad持ち)(…
Read more- 2025.05.20
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💀逆説的旅ガイド:時宗来迎寺で魂が鍛えられる理由
💀逆説的旅ガイド:時宗来迎寺で魂が鍛えられる理由鎌倉の西御門――この静かすぎる町に、満光山来迎寺という名の寺がある。その名前は「仏が迎えに来てくれる」らしいのだが、門前に立ってみると、どうにも仏の気配は薄い。代わりに感じるのは…
Read more- 2025.05.20
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若返りの雨と蛇の封印 ― 大歩危幻視譚(おおぼけげんしだん)
若返りの雨と蛇の封印―大歩危幻視譚(おおぼけげんしだん)それは雨から始まった。鹿児島の志布志港を出たとき、空はまだ迷っていたが、やがて湿った風が車の窓を打ちはじめた。濡れそぼる高速道路、名もなき渋滞の列。湾岸線を北上しな…
Read more- 2025.05.19
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『ある美女は蛇の目を見た』
『ある美女は蛇の目を見た』第1章杉越の森と盲目の美女深く湿った杉越の森は、昼なお薄暗く、風も静かに時を刻んでいた。その森の奥深く、誰も足を踏み入れようとはしなかった。そこには時空の裂け目があり、過去と未来、現実と異界が入り…
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